●劇団羅針盤第27回公演 『聖夜に2度目の鉄槌を ─赤い服の世界的不法侵入者に関する幾つかの考察─』

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──物語──

1930年代、電波探信機通称「レーダー」が実用化を迎えたとき、
12月24日の夜は大パニックになった。

「サンタクロースは実在する」

長く議論が重ねられてきた命題が、科学の力で立証された瞬間だった。しかし同時に、

「20億人を越えると言われる子供達に一夜でプレゼントをする方法とは?」

という議論の始まりでもあった。

その秘密を手にせんと欲した各国はサンタ狩りを開始した。
ありとあらゆる噂が飛び交い、サンタとおぼしき者が全て捉えられ、
そして世界からサンタクロースが消えた。

しかし。

「サンタが目撃された?」

計算上、サンタクロースの移動速度はマッハ3000を優に超え、
人間の眼はおろか最新鋭のカメラにすら捉えることは出来ない。

数十年の時を越え、再び世界中のありとあらゆる機関から腕利き達が放たれた。
失われてしまったサンタクロースを取り戻すために。あの過ちを伏して詫びるために。

作戦名「アカハナノトナカイ」

かつてサンタクロースを見た少年は、今やその存在を否定する者となった。
サンタクロースの末裔は、今もまだ彼を追う者でいなければならなかった。
サンタクロースの存在を訴える女は、今さら引き返すことなど出来はしなかった。

全ては、雪ソリに跨り9頭のトナカイを駆るその赤い姿を追い求めて。
というか──────────あのオジサンは実在するのだ。
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